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マイコプラズマ肺炎

※当院検査室ブログ「”歩く肺炎”マイコプラズマ肺炎」を加筆・修正したページです

 

【マイコプラズマ感染症とは?】
 マイコプラズマニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)という病原体が原因で気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をひきおこします。発症年齢は5~14歳の若年層が中心ですが、大人や乳幼児にも感染します。
 マイコプラズマ肺炎は、せきや発熱など風邪と見分けのつかない症状であることが多くらないうちに周りにうつしてしまう患者も多いため”歩く肺炎”と呼ばれています。数年に1度、大流行することがあります。
 
 
 
【流行時期】
 1年を通じて見られます。秋冬にやや増加する傾向があります。
【感染経路】
 ◆飛沫感染(咳やくしゃみなどを介して感染する。)
 ◆接触感染(病原体が手などに付着し、口、鼻や目に触れることで感染する。)
 ※発症したころ~1週間が人にうつしやすい。発症前~後1カ月程度は菌の排出があることも。
 ※短時間の接触ではあまり感染しない。職場・学校・家庭などでの濃厚接触で感染する。
【予防方法】
 コロナ対策と同じで、手洗い、咳が出る人がマスクや咳エチケットに気を付ける などが予防になりえます。
 2024年現在、マイコプラズマに対してのワクチンは存在しません。
【潜伏期間】(体の中にマイコプラズマが侵入してから症状が出てくるまでの期間)
 2~3週間と比較的長い潜伏期間があります。
【症状】
 初期症状はのどの痛み、頭痛、全身倦怠感、発熱、咳など。(咳は後から始まることも多い)。発症してから5~7日ほどで改善はする一方、長ければ3~4週間も咳症状が残ることも特徴です。中には重症肺炎に発展したり、中耳炎、髄膜炎や皮膚の病気といった合併症を起こすことがあるため注意が必要です。
 
 
 
 
 
 
【診断】
 ・肺炎を発症している場合にはレントゲンやCT検査で特徴的な画像がみられる
 ・確定診断のためには迅速診断キットを用いて診断が可能です。のどから綿棒で検体をぬぐい取る方  法です。検査結果は15分程度。
 ・精密検査(PCR検査,LAMP法、血液検査)は複数回の採血が推奨されていたり一般的な外来診療で行うことはあまりありません。
【治療】
 ・咳止め、解熱剤などの対症療法
 ・抗生剤(マクロライド系・ニューキノロン系・テトラサイクリン系)を用いて治療を行います。
※抗生剤への耐性化(薬が効かなくなる)を避けるため、健康な成人の軽症例(肺炎に至っていない状態)では診断がついても抗生剤をむしろ使わないことが推奨されています。
※薬が処方されて2~3日たっても解熱しないケースでは、既にその薬に菌が耐性を持っている可能性が考えられます。再受診を検討してください。
(Suzuki S, et al. Clinical evaluation of macrolide-resistant Mycoplasma pneumoniae. Antimicrob Agents Chemother 50:709-712, 2006.)
 
   【倉敷北病院では】
   月~土 診察可能です。内科/総合診療科、小児科が ”発熱外来”で対応します。
   ※小児で入院が必要な方は 小児科の入院が可能な病院へご紹介します。
 
2024年はマイコプラズマ肺炎が近年最大級の流行し、テレビでも報道されています。